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2014 年5 月期 仁淀川アユ遡上状況調査報告


       2014年5月期     仁淀川アユ遡上状況

             調査報告書

                          2014 年5 月12 日
                         仁淀川漁業協同組合


1. 調査日

 調査は 2014 年5 月11 日(10:00〜15:30)に実施した。
 当日の天候は晴れ。水温は17.2〜17.3℃の範囲にあり、地区間に大差はなかった。
 伊野水位観測所の水位は 0.65〜0.66m で、年間の渇水位に近い状態にあった。また、濁度は1.1〜1.7 度にあり、水中での視界は比較的広く、潜水目視観察に大きな支障はなかった。
 なお、昨年の同調査時(2013 年5 月12 日)の水温は16.0〜17.6℃、伊野水位観測所の水位は0.75m で、これに比べると、本年の水温はほぼ同等で、水量がやや乏しい状態であったも
のの、調査条件に大差はなかった。


調査
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 調査時における柳ノ瀬付近の状況(左:2013年。右:2014年)


2. 調査地区および方法

 調査地区は例年どおり図1に示した神ノ谷〜片岡地先までの間に設定した4地区とした。
 各地区の瀬において潜水目視観察により一定範囲内に分布するアユの個体数を計数するとともにその観察面積(観察幅×観察距離)を記録した。得られたアユの計数値とその際の観察面積から生息密度(尾/m2)を算出した。なお、生息密度の観測は、(株)西日本科学技術研究所の所員2 名が担当した。
 さらに、仁淀川漁業協同組合が申請・取得した特別採捕許可に基づき、同 4 地区において友釣りによるアユの採捕が実施された。採捕者は8 名で各地区において約30 分間釣獲した。得られたアユは、現地にて全長、体長、体重を測定後、その場で放流した。


調査
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調査に先立つ主旨説明

潜水目視観察の状況


調査
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友釣りによるアユの採捕

採捕されたアユ


調査
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全長、体長(下図参照)の測定

体長の計測


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        図1 アユの調査地区(潜水調査・採捕)
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調査時における各調査地区の状況は以下のとおりである。


3. 調査結果

 3-1 アユの生息密度

 各調査地区において観測したアユの生息密度および水温等を表1 に整理した。また、各地区のアユの生息密度を図2 に示した。 なお、図中には2012 年、2013 年時の生息密度も合わせて示した。
 各地区のアユの生息密度は、0.40〜1.08尾/m2の範囲にあり、柳ノ瀬地区での密度が最大であった。一方、最低は最上流の片岡地区であったが、最下流の神ノ谷地区の密度もこれと大差なかった。生息密度が柳ノ瀬地区から上流に向かって低下する傾向は、昨年、一昨年とも認められ、ほぼ例年共通する分布傾向と判断できよう。一方、神ノ谷の生息密度は昨年の2013 年に突出して高く、これは遡上中の小型個体が高密度に分布していたためであった。これに対し、2014 年には遡上中の小型個体が神ノ谷地区ではさほど見られず、遡上中の稚アユはその上流に位置する柳ノ瀬地区で多く観察された。本調査時における遡上主群は柳ノ瀬地区付近に分布していたと推察される。
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調査
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柳ノ瀬地区で多数確認された遡上中の稚アユ


 過去の同時期、同地区におけるアユの生息密度と対比すると(図2)、本年のそれは昨年(2013 年)に比べ明らかに低く、とりわけ先述したとおり、神ノ谷地区の密度には大差が見られた。一方、一昨年(2012 年)に比べると、各地区とも本年の密度が高く、柳ノ瀬地区や片岡地区では、2012 年の2 倍以上の値を示した。また、全地区平均の生息密度は、2012 年が0.35 尾/m2、2013 年では1.89 尾/m2で、本年の0.61 尾/m2は、これら過去2 ヶ年の概ね中間的な値となった。


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以下、各調査地区で撮影したアユの水中での様子を示した。


調査
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片岡地区で確認されたアユ


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黒瀬地区で確認されたアユ


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柳ノ瀬地区で確認されたアユ


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神谷地区で確認されたアユ


 3-2 アユの採捕結果
 
 各調査地区で友釣り(8 名で約30 分)により採捕されたアユの全長、体長、体重を表2 に整理した。また、次式より求めた肥満度を合わせて示した。当値が高い程、体長に比べて体重が重く、成育状態が良好であると評価できる。
    肥満度=体重÷体長3×1000


 友釣りにより、神ノ谷、柳ノ瀬、黒瀬、片岡地区でそれぞれ4、27、3、2 尾、計36 尾のアユが採捕された。この採捕数は昨年(2013 年)の108 尾の半数以下ながら、一昨年(2012年)の5 尾に比べると明らかに多く、採捕数も先の生息密度の年変動とよく一致した傾向を示した。
 採捕されたアユの体長は、11.4〜15.3cm、平均13.2cm であった。また、体重は22.0〜62.0g、平均36.8g で、最大個体は最上流の片岡地区で採捕された。なお、採捕数が豊富であった昨年の最大個体は、黒瀬地区で採捕された体長16.3cm、体重64g で2014 年の最大個体はこれと大差ない成長を示していたといえよう。
 採捕個体の体長を各地区間で比較すると(図3)個体数が少ないものの、片岡地区のサイズが大きく、上流側で大きいとされる一般的な傾向を示した。ただし、黒瀬地区から下流では、流程に沿った傾向は明瞭ではなかった。
 採捕個体の体長を過年度と対比すると(図4)、各年とも体長モードは12〜14cm の範囲にあり、大きな違いは認め難い。
さらに、2012、2013、2014 年の平均体長は、それぞ13.0cm、13.3cm、13.2cmと年度間でほぼ一致しており、普遍性が窺える。仁淀川中流域における5 月期の釣獲サイズは体長13cm 前後(体重30〜40g)が主体であるといえよう。


調査



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 採捕されたアユの肥満度は、13.8〜18.3 の範囲にあり、全個体平均値は15.6 であった。
 高知県内の11 河川において、2000〜2002 年の夏季に友釣りによって釣獲された計297 個体のアユの平均肥満度は15.2 であった(和ほか、未発表)。
上記の平均肥満度はこれをやや上回っており、成育状態は比較的良好であったと評価できる。また、採捕個体数が豊富であった昨年(2013 年)の平均肥満度は15.1 で、2014 年の値はこれを上回っている。
 各調査地区における肥満度の平均値と範囲を図5 に示した。これによると、平均肥満度は上流に向かって上昇する傾向を示し、上流側においてより成育が良好である状況が示唆される。なお、採捕数が豊富であった2013 年では、流程に沿った一定の変動傾向は認められず地区間の成育状態に大差は認められなかった。このような年度間によって傾向が異なった要因は定かではなく、2014 年についても採捕数が増えれば当傾向は不明確となる可能性もある。
 肥満度を年度間で比較すると(図6)、2012 年の肥満度が他2 ヶ年に比べやや高く、2013年と2014 年では、前者の平均肥満度がやや低い傾向にあった。大きな年変動ではないものの当変動傾向は、生息密度のそれと一定の対応がみられ、生息密度が高い年程、肥満度が低下する様子が窺える。


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仁淀川漁協 事務 更新日:2014/05/15

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